葬儀の基礎知識
葬儀前に知ること
費用を最も抑えられる直葬。後悔なく送れる?
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故人さまを、セレモニーを行わずに火葬のみで送り出す「直葬(ちょくそう)」。「火葬式(かそうしき)」と呼ばれることもあります。時代の流れから家族葬などの少人数でのお別れを希望される方が増えていますが、直葬を選ばれるご家族もだんだんと増えてきています。故人さまがお亡くなりになった後、どんな流れでお別れをするのか事前に内容を把握しておくことで、後のトラブルも防ぐことができます。一連の流れをご紹介します。
直葬の流れ
直葬は火葬しか行わない数時間程度で終わるご葬儀です。また、直葬ではごく親しい家族や親族のみしか集まらないのが一般的で、参列者の人数は数名程度です。宗教者を呼ぶかは、喪主の希望で選べます。例えばお坊さんをお呼びする場合、火葬場で読経を行い、親族は焼香して故人を弔います。(※自治体による)ただし、火葬場は公共施設なので、読経の時間は5分程度と限られます。火葬後は通常の葬儀と同じように収骨をし、その場で解散となります。
直葬では喪主を立てる必要はありませんが、葬式全体を取り仕切る主宰者を決めることで、スムーズに葬儀を進行することができます。
直葬のメリット
・費用を抑えられる
一般的なお葬式では通夜や告別式などのセレモニーがありますが、直葬ではそれらを行わないため、会場費や返礼品、食事などの費用や、宗教者さまにお支払いするお布施などの費用がかかりません。故人さまを荼毘に付すための最低限の費用で送り出すことができます。
・事前の打ち合わせなどの準備が少ない
直葬は、ご遺体の搬送が終わった後、葬儀社とその場で打ち合わせを行うことが一般的です。一般的な葬儀を希望される方よりも、時間は短く済むことが多いでしょう。
簡易的な葬儀ならではの注意点も
・親族の理解を得る必要がある
直葬は、多くの方がイメージされる一般的なご葬儀を行いません。後々トラブルにならないように、事前に親族に対して直葬を行う旨を伝えておくことが必要です。
・知人や友人など関係の近しい方への配慮も重要
基本的にお別れはごく少人数で行うため、ご葬儀に参列できなかったことを悔やまれる方がいらっしゃるかもしれません。
・菩提寺へ納骨できない可能性がある
お付き合いのある菩提寺がある場合は、通常、その寺に宗教儀礼を執り行っていただき、火葬後は菩提寺へ納骨することになります。宗教儀礼を省いた直葬を行ったために、関係を損なう可能性もあり、場合によっては菩提寺への納骨を断られるケースもあります。
ポイントを抑えて後悔のない選択を
直葬は、経済的にも身体的にも負担が少なく済むお別れの形です。喪主さまがご高齢で葬儀の対応が難しい、感染症対策のため参列者を少なくしたいなど、さまざまな理由から直葬を選ぶ方がいらっしゃいます。
ただし大切なのは、お別れに後悔を残さないことです。「直葬」でもさまざまなオプションを選択できるよう用意をしている葬儀社がほとんどですから、ご家族の希望に沿ったお別れができるよう、相談してみることがおすすめです。